そもそも仮想通貨って何?

・仮想通貨は、現実には存在せずインターネット上で取引される通貨です。データのやり取りだけで取引が済むので、安い手数料で海外にも簡単に送金できることなどが特徴です。円やドルなどの法定通貨と違い、公的な管理者がいません。

ビットコインが話題になりましたね。

・仮想通貨の先駆けであり、代表格です。「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が2008年に書いた論文を基に、翌年から運用が始まりました。その後、機能を付け加えたりした新種の仮想通貨が次々に生み出され、現在は約1400種類を超えます。ネムもその一つで、15年に生まれました。普及を推進するネム財団という国際団体があります。

仮想通貨はどこで手に入るの?

・仮想通貨取引所で買えます。ネット上の取引で、円など現実のお金との交換レートが決まります。価格変動は激しく、ビットコインは17年1月に1ビットコイン=10万円程度だったのが、12月には一時200万円を超えました。ネムも17年初めは1XEM(ゼム、ネムの取引単位)=1円を切っていたのが、18年1月には一時200円を超え、仮想通貨ファンの間で注目を集めていました。

取引所は1カ所だけ?

・100カ所を超える取引所が世界中にあり、それぞれ手数料や扱う通貨の種類などに違いがあります。コインチェックは国内に拠点を持つ取引所の一つです。

コインチェックってどんな取引所なの?

・運営会社は12年設立。創業者である和田晃一良(こういちろう)社長は、東京工業大出身で、27歳の若さながら取引所の開発を担いました。扱う仮想通貨の種類が13と多いのが特徴です。タレントの出川哲朗さんを起用したテレビCMも話題になりました。

日本では17年4月の法改正に伴い、金融庁が仮想通貨取引業者の管理態勢などをチェックして登録する制度になりました。

ところが、コインチェックはまだ登録できていません。申請中の「みなし業者」として営業しています。

コインチェックはCMなどをし事業拡大を急ぐ一方で、不正アクセス対策は十分とは言えませんでした。

高額の仮想通貨は外部のネットワークと遮断して保管するのが業界の常識ですが、コインチェックは、ネムを全額ネットと接続した状態で管理していました。

専門家の分析によると、異変を察知したのは最初の不正アクセスがあった26日午前0時ごろから11時間以上も過ぎた後でした。

金融庁も問題視し、発覚から3日後に、仮想通貨取引業者に対しては全国初となる業務改善命令を出しました。再発防止策の報告を求めています。

 

ネムを預けていた顧客はどうなるの?

・コインチェックは28日未明、26万人の顧客全員に日本円で返金する方針を示しました。

ただ、流出後に値下がりした価格で算出したため、返金総額は460億円に目減りしています。そもそも裏付けとなる財務状況や実施時期も明らかにしていません。金融庁は、同社が実際に返金できるかを厳しくチェックする方針です。

コインチェックは不正発覚後、ネムを含む全仮想通貨や日本円の出金を停止しています。早めに返金方針を打ち出したのは、不安を抑え、出金停止解除時に資産が一斉に流出する事態を避ける狙いもありそうです。

流出したネムはどこに行ったの?

・実は、仮想通貨を支える技術の特性上、全ての送金記録は残ります。そのため、不正に引き出されたネムがどこに送られたのかは分かっています。

ボランティアがこの送り先にタグ(目印)を付け、その後の動きを監視しています。犯人がどこかの取引所で日本円などに換金しようとすれば、本人確認が必要になり、露見するかもしれません。

警視庁も不正アクセス禁止法違反の疑いなどで捜査に乗り出しました。

仮想通貨業界はどうなるんだろう?

・業界内では「規制が厳しくなるだろう」との見方がもっぱらです。

ただ、あまり規制しすぎると、国などの管理から自由な存在である仮想通貨本来の魅力は薄れるかもしれません。

仮想通貨が集まる取引所は常にサイバー攻撃に遭うリスクを抱えています。利用者も、高額の仮想通貨は取引所に預けっぱなしにせず、各自の電子財布(ウォレット)に移すなどの自衛策も求められます。